この曲は、メゾン一刻のテーマに使われたこともありますから耳にしたことがあるリスナーさんも大勢いるんじゃないでしょうか。調べてみるとコブクロもカバーを歌ってるそうです。
「リズムは軽快ですけれども….ね」な曲とリクエストに書いていた通りで、この曲はとても明るい感じなんです。日曜の午前中のぽかぽか陽気の春の日を思い浮かべるような印象の曲なんですけど、歌詞を聞いていると、ん?と感じました。
Alone again (Naturally)というのは、またひとりぼっち(まぁ人生なんてそんなもんなんだけどね)という意味です。まぁそんなもんなんだけどねがカッコ書きなところには悲しさと、諦めて達観したすがすがしさが交じり合ったようなニュアンスを感じます。少なくとも悲壮感は一辺倒ではありません。どう聞いてもこの曲に悲壮感はないでしょ?
でも歌の内容は、結婚式の当日に新婦に逃げられてしまうという衝撃的な話なんです。
メゾン一刻以外にも、ある保険会社のCMにも使われていたことがあるんです。耳障りのいいやさしい曲調が採用の理由だったんでしょうが、保険会社のCMにこの曲使うの?正気ですか?と思ったものです。結婚式にも使ったらダメな曲ですね。
みんな仲良く!とか、他人の気持ちを考えよう!とかいう日本の道徳とは真逆の内容なんですね
人の気持なんてホントのところはわからないと言うわけですが、だから人を恨むわけではなく、済々と生きるすがすがしさを感じます。
前半では結婚式で、花嫁が現れなかったときの自分の悲しみを埋めてくれる人がいなかったから飛び降りようとしているわけですが、翻って、自分も父の死を悲しむ母の心を癒すことはできなかったことを思い出します。
そうか、ヒトはみんなひとりなのが当たり前なんだと気づくわけです。だから彼は飛び降りたりしなかったんじゃないかと思います。悲しみを乗り越えたわけではないけれど、悲しい事実を事実として受け止めて生き続けたんじゃないかと思うんです。
さて、この曲は、歌詞の内容だけでなく、曲の構成にも特徴があるとボクは感じてたんですよ。
調べてみると、ギルバートオサリバンは音楽教育を受けていなくて全部独学で習得したそうなので、合点がいったんですけど、この曲の構成は独特なんです。今のロックやポップは大体Aメロ4小節、A’メロ4小節、Bメロ(サビ)4小節の12小節がひと塊で、これに大サビとかCメロが入る構成になっていることがほとんどなんですね。
ところが、この曲は16小節なんです。Aメロ、A’メロと来て、9、10小節目から一区切りつくのかなと思いきや「続くんかーい!」とズッコケます。もう一節繰り返されてから予想通りの展開で1番が終わります。
さらにこの曲、自分で歌ってみてわかったんですけど、心地よく軽快な曲で、決して早口で歌ってるわけではないのに舌が結構こんがらがるんですwリズムでいうとおかずのような感じで、一拍目の前に言葉が入っていたりして想像するより言葉が詰め込まれているんですよ。感じないけど。
あれ?これわかってもらえますかね?
まぁいいです。結局みんなひとりぼっちなんだから。わかってもらえなくても当たり前w