今回は、ノラ・ジョーンズのドントノウ ホワイです。
ノラはニューヨーク出身のジャズシンガーです。生後数年で両親の離婚からテキサス州に引っ越したこともあり、カントリーやソウルなどの影響も受けて育った結果、いろいろな分野の音楽とクロスオーバーした世界を作っています。
和み系シンガーの第一人者ですね
今日紹介するDon’t know whyは2002年のデビューアルバムに収録されており、ファーストシングルとしてシングルカットもされました。このアルバムはジャズのライブハウスでも有名なブルーノートのレーベルから発売されたのですが、発売当初は「これってジャズだっけ?」という意見が多かったそうです。「ブルーノートから発売された最もジャズらしくないアルバム」との評価であったのですが、それでも予想に反しアルバムは大ヒットしました。
ノラはこの曲で翌年のグラミー賞を受賞しています。日本では日本たばこのCMに使われていたり、平井堅やJUJU、松田聖子がカバーしているので知っている人も多いでしょう。
悲しいラブソングですね
まるで先々週のビリージョエルと掛け合いになっているようです。
I don’t know why I didn’t come。ノラは続けます。「ねぇビリー、なんでだと思う?」すると永遠の不良中年ビリーは、「Don’t ask me why」と答えるんですかねぇ?
勇気を出せよ、と。
後悔するくらいなら行きゃよかったのに、と突き放すのは野暮ですね。ノラのあんな甘い声でそんなこと言われたら、思わず「僕じゃだめですか?」と言っちゃいそうです。
さて、I didn’t comeですけれど、日本語では「行かなかった」ですけど、英語ではcome来るなんですね。
家の玄関に宅急便屋さんが来てピンポンと呼び鈴が鳴ったとき、日本では「はーい今行きます。」と言いますが、英語だと「I’m coming」と言います。学校で習うのは大体ここまでかなと思いますが。
「行く」と「来る」は視点の違いなだけでしょ。自分視点なら「行く」ですし、相手視点なら「来る」になるわけじゃないですか。
週末のパーティに来ない?と主催者から誘われたら、うん、来る来る! Sure! I will come!と言うのが普通ですけど、Sure, I will go!と言っても通じちゃいます。
主催者の気持で、主催者の立場で答えると「来る」になるでしょ?
自分の立場なら「行く」になるわけで。
そういう気持ち、視点の違いで使い分けているんだと思います。
ノラのこの曲ではI didn’t comeですから、彼への気持ちは吹っ切れてないんだと思うんです。
彼のもとに行きたかった後悔とともに、今でもまだ彼のことを思ってるんでしょうねぇ。
何年前のことかはわかりませんが、彼女の心にはずっと残ってるんでしょうね。
これが、もう吹っ切れているのだとすれば、I don’t know why I didn’t go.です。
こう言われたら、あぁもう次に行ってんのね。彼とのことはいい思い出なのね。と思えます。
I don’t know why I didn’t come。切ないですねぇ。