今週は“ボス”ブルーススプリングスティーンのBorn in the USAです。これ、リクエストされたのはアメリカの独立記念日の7月4日でした。お待たせしました。ブルーススプリングスティーンはアメリカ東海岸、ニューヨークの対岸のニュージャージー州出身でブルーカーラーワーカー中心に“ボス”と呼ばれ絶大な人気を誇っています。そしてBorn in the USAはベトナム戦争について歌ったものです。実際友人がベトナム戦争で戦死しているブルースとしては、もともとの曲の意図は反戦なんですが、愛国の象徴と受け取られることもあり、古くは共和党のレーガン大統領のキャンペーンソングになりました。ニュージャージーは共和党、民主党の勢力拮抗の州なんですが、スプリングスティーンの出身の地域、そしてスプリングスティーン自身は民主党支持です。第二のボブディランというイメージとロックンローラーというイメージがある大物です。
アメリカは世界の警察として、世界中に駐留軍を配置しています。ベトナム戦争など共産主義との戦争はソ連の崩壊、冷戦の終了とともに終わりをつげ、次にイスラム圏との闘いが始まりました。イランとの紛争はいまだに続いています。イラクのクエート侵攻からの湾岸戦争ときてイスラム国、タリバン、アルカイーダとの闘い、そしてつい最近米軍はアフガニスタンから撤退しました。
世界の警察と言いますが、結局は米国の利権の確保の側面も見え隠れするわけです。
米軍への志願兵は、景気対策の側面も持っています。景気が悪くなって職が無くなると若者は軍に入ります。大学では予備役として軍事科目を履修することで一般教養の科目に替えることができたりします。戦争に対しての姿勢や身近さ、軍人に対するリスペクトは、憲法9条で平和主義を守る我が国とは全然違うと思います。そして、戦争から帰って来た退役軍人のその後の生活は常に問題になっています。
戦争は景気対策の側面があるという意味で、またアメリカの国内景気が悪くなれば戦争の可能性は高まってくる可能性があるんですよね。
週末は911から20周年でした。アメリカ本土が攻撃される史上初めての衝撃的な出来事でした。毎年、世界貿易センターのツインタワーを模した二条の強い光で犠牲者2800人の追悼をします。
世界情勢は単純ではありません。世界中で紛争が起こっていますが、命が奪われることのない世界になることを祈らずにはいられません。