今日は、フィービー・スノウのポエトリー・マン、「詩人」という曲をお届けします。酒太郎さん曰く、ボクが言ったんじゃないですからね!酒太郎さんからはちびまる子ちゃんの「冬田さん」似だとの意見が寄せられました。ボクは「みぎわさん」にも似てると思います。
フィービー・スノウは1950年、ニューヨークに生まれ、ハドソン川を挟んだ対岸のニュージャージーで育ちました。そして25歳の1975年、アルバム「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」でデビュー。ポエトリー・マンはそこからのシングルカットです。邦題にもなっている「サンフランシスコ・ベイ・ブルース」はオールディーズの名曲で、ピーター・ポール・&マリーやエリック・クラプトン、ポール・マッカートニーもカバーしています。割と明るいアレンジをしている人が多いんですが、その曲もフィービーはけだるく悲しそうに歌います。
フィービーは、ポエトリー・マンとアルバムのヒットで一躍スターの座を掴みます。
どうにも物憂げ系が得意みたいな彼女ですが、フィービーは4オクターブ以上の声域を持った歌姫として将来を期待されました。7オクターブの声域と言われているマライア・キャリーも実際は5オクターブちょっとと言われているので、それに匹敵する美声なんですね。
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面白いことを言って笑わせるのね
夜の帳(とばり)の中にあなたの目が光っているのが見えるわ
ずっと私を見つめているの
はずかしそうにしているのに
何かを隠しているのはわかっているわ
私にそれを頂戴
もっと話して
まだ行かなくてもいいでしょう?
あなたは詩人
全ては韻を踏んでいるのね
あなたは言葉の魔神
ランプをこすって願うのは
あなたの笑顔だけなのよ
最初は高校生のように無邪気にはにかんでいるのだけれど
いつの間にか吸血鬼のように興奮しているの
もっと話をして!
まだ行かなくてもいいじゃない
あなたは詩人
あなたといれば何でも大丈夫だと思える
だからもう一度だけ
またお別れの時ね
ねぇ、どうするの?
家に帰ってしまうの?
奥さんの待つ家に毎日帰ってしまうのね
もう少しだけ話してよ
まだ行かなくてもいいでしょう?
あなたは詩人
全ては韻を踏んでいるのね
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今回は一番苦手なジャンルの曲でした。不倫の曲です。この曲を歌った当時フィービーは、この曲のように妻子のある男性と関係を持つことがしばしばあったそうです。そんな不倫の内容をロマンティックに歌うことを後になってからはちょっと違うんじゃないかと思い直したそうです。後のインタビューでは「私は婚外交渉が悲しみと悪いカルマをもたらすと思います…それは本当に悪い考えです。」と語っています。
ローリングストーン誌で、「同世代の歌手の中でも天性の素晴らしい声を持ち、スタイルとしても技術的にもどんな歌でも歌えるのだが、未だ答えの出ていない問題は、これほどの才能をどの方向に向かわせればいいのか、ということである」と言われたフィービーの才能ですが、その後は苦難の道でした。脳に重い障害を持つ娘の養育費用と生活のために歌うことを選びました。彼女は80年代、90年代にゼネラル・フーズのコーヒー(日本では味の素と合弁のAGF)や電話会社AT&T などのコマーシャルソングを手掛けています。ボク的には「あぁあのコマーシャルを歌ってる人か」と感じです。娘の養育が事実上、スノウを音楽業界でステップアップを阻んでしまったわけですが、それを彼女はカルマとして受け入れたのだと思います。