みなさん、クリスマスはどうお過ごしでしたか?2022年最後のどゆソンは、スコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」をお届けします。原題は、「サンフランシスコ(髪に花を飾るのを忘れないで)」です。先週のビリージョエルから打って変わって今週はサンフランシスコで今年を締めくくりたいと思います。
歌うのはスコット・マッケンジー。フロリダ州に生まれ、ノースカロライナやバージニア州で少年時代を過ごした後、ニューヨークでカリフォルニア・ドリーミングのママス・アンド・パパスのジョン・フィリップスと出会い、そして二人がカリフォルニアに移り住んでから作った曲です。1965年、モントレー・ポップ・フェスティバルのためにジョンが作ったんだそうです。モントレーはサンフランシスコから南に2時間弱の海辺のリゾート地です。クリント・イーストウッドが市長を務めたカーメルの隣の町です。ベトナム戦争に対する反戦運動として「武器ではなく花を」というスローガンのフラワーパワーのもと、若者のヒッピー文化として支持を得ました。ウエスト・コースト・ロックの先駆者ですね。フラワームーブメントは、サンフランシスコ南部のヘイト・アシュベリーのサマー・オブ・ラブとういうイベントに10万人が集まったほどの盛り上がりを見せたそうです。この頃、ほかにはサンフランシスコではいまだに絶大な人気を誇るウエスト・コースト・ロックバンド、グレートフル・デッドやジェファーソン・エアプレイン(後のスターシップ)などもブームを牽引しました。
先週のビリージョエルの曲と比較してみると、東海岸と西海岸の文化の違いを感じ取れるかもしれません。
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サンフランシスコに行くときは花の髪飾りを忘れないようにね
サンフランシスコに行けば、穏やかな人たちに出会えるさ
夏のサンフランシスコは訪れる人たちは愛に包まれる
サンフランシスコの街並は花飾りの穏やかな人々であふれているのさ
全国で巻き起こった大きなバイブスは人々を動かす
若い世代は新しい思想を支持している
人々は世の中を変えようと行動しているんだ
サンフランシスコに来るのなら、花の髪飾りをしておいで
もし、キミもサンフランシスコに来るのなら
夏のサンフランシスコは愛で溢れているんだから
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どうです?ニューヨークとサンフランシスコの違い。
ニューヨークではウォール街で働いて、ポール・スチュアート、ブルックス・ブラザース、Jプレス、5番街のアイビーしか身につけなくて、周りの同僚から日本のヤッピー(ヤング・アーバン・プロフェッショナル)、ジャッピーと呼ばれていたボクはサンフランシスコ郊外にあるヒッピーの総本山の大学院に行くために東から西に引っ越したわけですが、その文化の違いにはとても驚きました。服装でいえば、ニューヨークではカジュアルでもポロシャツにチノパン、靴は革のカジュアルなものをいつも着ていましたが、サンフランシスコではそれじゃきちっとし過ぎていて浮きました。大学ということもあって、みんなTシャツにジーンズ、スニーカーでした。あらゆることがカリフォルニアではカジュアルでした。ニューヨークにいたころは今よりずっとエリートぶった鼻持ちならないヤツだったんですが、サンフランシスコでの2年間で相当砕けた性格になったと思います。ニューヨークの、ピーンと張り詰めた緊張感溢れる生活はゾクゾクするほど魅力的ですが、その対極にあるサンフランシスコの、飾らないありのままでいいんだというライフスタイルも同じくらい惹かれます。皆さんはどっちに興味がありますか?
今年は2月にロシアがウクライナに侵攻し、未だに終焉が見えません。世界中に花の髪飾りが必要な年末ですね。みなさん、一年お世話になりました。来年もよろしくお願いします。みなさんにとって来年がよい年でありますように。Happy New Year!