今週はママス&パパスのカリフォルニア・ドリーミングをお届けします。もうこの曲は知らない人はいないんじゃないでしょうか。♪タリラリ ランランランランってイントロのアコースチックギターからエモいですよね。
歌うのはママス&パパス。「花のサンフランシスコ」を紹介したときに少し触れた、カリフォルニアのフラワームーブメントの中心的存在です。メンバーはそれぞれ東海岸と西海岸を行ったり来たりしているのですが、バンドの結成はニューヨーク。この曲もニューヨークで作られました。ジョンとミッシェルのフィリップス夫妻の作品なんですが、二人はカリフォルニアで出会い、その後ジョンの故郷ニューヨークに二人で引っ越します。ロサンゼルス出身の妻ミッシェルは、ニューヨークの冬を甘く見ていたそうです。そんなミッシェルの気持ちを察して書かれた「カリフォルニアに帰りたいなぁ」という歌なんですけど、タイトル通り、「夢の」カリフォルニアのテーマソングみたいに思われていますね。で結局寒さが耐えられなくてやっぱり夫妻はサンフランシスコに引っ越しました。
また、イーグルスのメンバー、デトロイト出身のグレン・フライやテキサス出身のドン・ヘンリーも若い頃にこの曲を聴いて憧れ、カリフォルニアを目指したそうです。1979年の映画「カリフォルニア・ドリーミング」や、2002年の日本のドラマ「夢のカリフォルニア」など、カバー、オマージュ作品もたくさんあります。日本のドラマは堂本剛、柴崎コウ主演の「中学の同窓会を境に人生に変化が起きる」というストーリーらしいです。中学の同窓会は僕たちも5年に一度やってるんですが、人生に変化なんてちっとも起きません….
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木々が枯れ、空はどんより曇っている
そんな冬のある日、ボクは散歩に出た
ロスアンゼルスはもっと暖かいだろうに
カリフォルニアを夢見るそんな冬のニューヨーク
凍えながら歩いていくと教会があったのでちょっと寄ってみた
仕方ないからお祈りをするフリをした
牧師は寒い日が好きなのさ
だってボクみたいな人が来てしばらくいてくれるんだから
カリフォルニアを夢見る寒い冬の日
もし彼女に「一緒にニューヨークに来てくれ」なんて言ってなかったら
すぐにでもカリフォルニアに行けるのに
夢のカリフォルニア
そんな冬の一日
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ボク、この気持ちよくわかるんです。ニューヨーク勤務からカリフォルニア大学への進学を選んだのが「ニューヨークが寒すぎるから」だからw
ニューヨークはちょくちょく雪が降って、その度にどんなに遅く帰っても、家の前の雪かきをしなきゃならなかったんです。雪で転んだら訴えられるから。午前3時に帰っても雪かき。耐えられずに、「あったかいとこ行きたい!カリフォルニアに行きたい!」となりました。
事前に第二志望、第三志望のアイビーリーグの大学には受かってたんですが、どちらも雪深い山奥の学校だったので、カリフォルニアに合格したときはホントうれしかったです。
さらに、カリフォルニアでの初めての冬、地元出身の同級生と「カリフォルニアはあったかいね」「カリフォルニアだって寒くなるさ、5度くらいまで下がるんだよ!」「それ、ニューヨークのラッキーな暖かい日の「最高」気温」と話し、「あぁ、カリフォルニアに来てよかった」と喜びを嚙み締めたのをよく覚えています。
そのカリフォルニアですが、まずカリフォルニアという名前は黒人のアマゾン族の人々が住み、女王カリフィアが支配する空想上の天国に由来します。女王カリフィアの王国はグリフォンなど奇妙な怪獣が住み、金が豊富な遠隔の土地であるとされていました。まるでフレディ・マーキュリーの想像の世界ですね。
カリフォルニア州は、アメリカとメキシコの間で戦われた米墨(べいぼく)戦争に勝ったアメリカに吸収されたわけですが、その後もカリフォルニアは27回もアメリカからの独立の動きがありました。
今のところ全部失敗に終わってますが、今でも「カリフォルニア共和国」の文字は州の旗に刻まれていますし、独立したいという州民は多数存在します。面積は日本とほぼ同じですし、人口4千万人、州の経済は世界9位のイタリアと同規模ですから、まぁ独立してもやってけるんですね。 コーラスもきれいだし、この原稿を書きながら何度も曲を聴いていたら、この曲をライブでやりたくなってきちゃいました。みんなでやろー