今週は、ブロンディのHeart of glass ガラスのハートをお届けします。ニューヨークのダウンタウン、グリニッジビレッジのライブハウスCBGB出身のパンク、ニューウェーブ、ディスコバンドのブロンディは1975年結成。1976年にメジャーアルバムデビューしました。今日ご紹介するハート・オブ・グラスは1978年の3枚目のアルバム「パラレル・ライン」に収録され、1979年にシングルカットされるとアメリカ、イギリスほか世界6か国でヒットチャート1位を記録しました。しかし実はこの曲、デビュー当時「Once I had a love」というタイトルで発表されています。そのときはスローで、ズンチャッカチャカチャカとレゲエっぽい仕上がりになっていました。ライブの定番ナンバーだったのですが、だんだんとロック色が強いアレンジになり、音楽シーンでディスコサウンドが隆盛を極めるに至り、みなさんご存知のバージョンに落ち着いたという経緯があります。この曲は92年にはノエビア化粧品のCMソングにもなっていますね。ニューウェーブっぽさはタカタカタカタカとリズムを刻むローランドのリズムマシンです。
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そう、あたしも昔は恋したことがあるわ
はかなく消えた恋を経験して、あたしの心はガラスみたいに脆(もろ)くなったの
信じてもすぐに騙されたと気づいちゃって
恋は終わるの
あたしが昔恋したとき、あたしはそれが神聖なモノだと思ったの
でもすぐにあたしがどうかしてたんだって気づかされるの
そして恋は終わるの
それまでは、恋は楽しいし、あたしの気分が絶好調なのに
なんだか心はそわそわしちゃうの
あなたを失ったらどうしよう?って思うともうだめなのよね
あなたに弄ばれちゃうのよね
素敵な幻想を心に抱いているわ
それを隠し切れないの
だからそんなにうざがらないでよ
そうすれば私たちうまくやっていけたのに
青白い光に誘われて天に昇れたかもしれないのに
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ブロンディーは、色々なジャンルの音楽を実験的に取り入れてきたバンドで、ハート・オブ・グラスではディスコ風ダンスロック、その後のヒット曲ラプチャーではラップ的な音楽を取り入れるなど最先端の音楽を志向したニューウェーブだったんですねぇ。
80年代マドンナが登場する直前のセックス・シンボルはなんと言ってもデボラ・ハリーでしたね。
肌の露出の点ではランナウェイズのシェリー・カリーもいましたけど、シェリーは10代から20代そこそこの年齢でしたから、妖艶さ、大人のセクシーさの点ではデボラの圧勝でした。
先週カナちゃんがちょっと話題にしてくれていた、ボクがどうやって訳しているかなんですけど、
まずは、音源を何度も流しながら、歌の世界にいる自分を想像するんです。その時、自分だったらどう感じるかなぁ?と想像しながら自分の中に歌の世界を取り込んで、そこから訳を作ります。もちろん歌詞とか和訳も一応見るんですけど、自分の言葉で表現するようにしています。だから恋の歌はどうも苦手なんですねぇ。逆境から這い上がっていくような曲の方がイメージが膨らみます。
今日の曲で言えば、まぁちょっと頭の弱い、ゆるーい感じの綺麗なおねぇさん、いわゆるブロンディー、金髪の女性をイメージしました。
欧米には、金髪美人=おバカという一つのステレオタイプがあってそういうおねぇさんがイメージですね。そういえばデボラ・ハリーは金髪ですが、これは染めているんだそうです。本来は赤毛なんだそうですが、日本人の美容師に奨められて金髪にしたんだそうです。
中学生に国語を教えるときにも、文章を読むときにはその情景を思い浮かべて、どんな色の景色が見えるか、どんな音が聞こえるか、暑いのか寒いのか、明るいのか暗いのか、どんな臭いがするのか、五感を使って物語を読むように指導しています。
没頭することって何をするにも大事なことだ思うんですよねぇ。