今週は、ポップスのスタンダード、Singin’ in the rain(邦題: 雨に唄えば)をお届けします。この曲は1929年公開の映画「ハリウッド・レビュー」の中で使われ、その後この曲を題材にした1952年のミュージカル映画Singin’ in the rainの中で主演のジーン・ケリーが土砂降りの雨の中で歌いながらタップダンスを踊る場面に使われました。デビー・レイノルズとの恋の予感にウキウキ気分のジーン・ケリーのダンスは映画史に残る名場面と言われていますね。当時の技術的に雨を映像に捉えるのが難しかったことから、雨水に牛乳を混ぜて見えやすくしたとか噂されたこともありましたが、それは否定され、ライトを工夫して水だけで撮影したというエピソードが残っています。
みなさん一度はお聞きになったことがある曲です。きっとなんとなく笑顔になると思いますよ。
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雨の中でボクは歌っている
そう、歌っているのさ、雨の中で
なんて気分がいいんだ!
ボクは雲を見上げて大笑いしている
あんなに暗い空に向かってw
なぜって、太陽はボクの心の中で照っているから
愛が始まる予感がするんだ
嵐よ、みんなを追いかけてやれ!
雨よ、降れ!
笑いが止まらない!
何度も同じ歌を繰り返し歌いながら
道を歩くのさ
雨の中歌いながら
雨の中踊りながら
雨の中歌いながら
雨の中踊りながら
たりらりらーん!
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この歌が最初に作られたのは1929年、アメリカの大恐慌の年でした。株式市場が暴落し、経済が混乱、人々を不安に陥れ(おとしいれ)ました。そんな不安な時代を雨として表現し、困難な状況でも明るく生きて行こうというメッセージを社会に送った曲です。制作は今はディズニーに買収されたMGM。MGMは当時設立5年目の新興企業でしたが、家族で楽しめる映画を作ることをビジョンに持った会社で、映画Singin’ in the rainは、このビジョンの象徴とも言えるものです。
さて、そして本物の雨についてですが、例年ならまだあと一、二週間は梅雨のはずですが、このところもう雲を見ても夏の入道雲がよく見られますし、雷雨があったり、もう夏みたいですよね。降水量は例年の9割程度だそうですし、8月の水不足がちょっと心配ですね。
アメリカでは梅雨はありません。アメリカの気候は地方によって違います。最近の異常気象は日本だけでなく世界的なものです。アメリカの台風シーズンは初夏の6月頃から晩秋の11月頃までですが、アメリカの台風はハリケーンと言いますが、大きなハリケーン日本と同じように10月、11月が多いようです。最近….と思ったら2005年でした….異常気象で非常に勢力の強いハリケーンが米国本土南部のフロリダ州やルイジアナ州などの街が水没し、住民全員、50万人に避難命令が出され、フットボールのドーム球場に避難し、損害額は15兆円とも言われている被害があったこともありました。一方で、西海岸を中心に乾燥して、毎年のように大規模な山火事が起こっています。
ついこの前は(これは先月か先々月)カナダで山火事が起こり、その煙ではるか南のニューヨークまでが煙でオレンジ色に曇ってしまい、それが数日続いたときの写真を友人がフェイスブックにあげていました。
前橋ではこの前雹がすごかったですよね。ボクの車もやられました。
なんだか自然の前で人間はちっぽけな存在であることを思い知らされますね。 こんなひどい災害だと、雨に濡れてもたりらりらーんなんて言ってられないですね。