今週は、ジュディ・ガーランドのオーバー・ザ・レインボウ、「虹のかなたに」をお送りします。
歌うのはジュディ・ガーランド。1922年アメリカ北中部のミネソタ州で大道芸人の父とピアニストの母の間に三姉妹の末っ子として生まれます。ミネソタは五大湖に面し、州全体にたくさんの湖が点在します。ミネソタを本拠地にするNBAチームは、湖が多いことにちなんでレイカーズと名付けました。今のロスアンゼルス・レイカーズです。
ジュディ・ガーランドのガーランドは芸名で、ガーランドは花冠(はなかんむり)を意味します。
三姉妹のグループとして7歳のときにデビューしたあと、13歳でMGMと専属契約を結びます。映画でもわかる通り、ややぽっちゃり体系なんですが、MGMからは「これ以上太ったらクビ」と言われていたそうです。
そして、17歳のとき、今日ご紹介する曲、「虹のかなたに」に出会います。
この曲は1939年の映画「オズの魔法使い」の中で主人公のドロシー役のジュディ・ガーランドが歌ってヒットしました。
さすがの名曲、エリッククラプトンをはじめ多くの人がカバーしています。日本では「虹のかなたに」として美空ひばり、江利チエミ、ジ・アルフィー、倉木麻衣、などがカバーしていて、この曲にインスパイアされたドラマも作られましたね。
虹の向こうにはきっといいことがあるという希望に胸膨らませる曲です。
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虹の向こう、どこか空高いところにある国のことを昔子守歌で聞いたことがあるの
虹の向こうの空は真っ青で、夢は叶うんだって気持ちになるの
いつかお星さまにお願いしてみる夜
次の朝起きたら雲は向こ~うの方に行っていて
今までの悩みなんてほんのり酸っぱいレモンの雫程度に感じられて
煙突の上から消えていくのよ
私はそんなところに行くの
虹の向こうでは幸せの青い鳥が飛んでいて
虹の周りで遊んでいるの
ねぇ!私も混ぜて!
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オズの魔法使いは、当時のアメリカ政治経済を風刺した物語で、かかしは農民、ブリキの木こりは工場労働者、弱虫ライオンは大統領選に敗れた民主党のブライアン候補。東西南北のいい魔女、悪い魔女は、当時の民主党、共和党支持に割れていた銀行家のモルガン家、石油王ロックフェラー家などの財閥の象徴で、自分たちに都合のいいように国を動かしているという批判。ドロシーの辿る緑の道がドルの象徴。オズは金を測る単位、銀のスリップオンが銀本位制。
というお話をしました。今日は虹についてお話しします。
虹は、ニュートンがドレミファソラシの7音階に色を当てはめ、赤、橙、黄色、緑、青、藍色、紫の7色を虹の色にしました。これが7色になった理由です。
中学1年の理科ですけど、太陽の光は色々な色の要素が入っていて、色ごとに屈折の角度が決まっていて、屈折角度はそれぞれ違います。空気中に水分があると、水滴に太陽の光があたって、それが虹になります。ときどき2重の虹が見えるのはMEEでもときどき紹介されていますけど、これは光が二度水滴によって反射することで発生します。
だから虹の位置というのは太陽の位置と自分の位置に対して決められた角度で見ることができます。そして色は外側から赤、橙、黄色、緑、青、藍色、紫と決まっています。そして二重の虹の方は二回屈折しているので順番が逆になっています。今度二重の虹が出たときはよく見てみてくださいね。
とここまではボクらしからぬ理科の話でしたけれど、どこの国でも虹は7色かというと、これが違うんですねぇ。日本でも江戸時代の浮世絵などでは4色など7色より少なく描かれていることもあります。虹の色は境目がはっきりしないグラデーションですよね。だから色の感覚の敏感さによって数が違って見えるのです。ほら、サーモンピンクだのベビーピンクだの、ピーチだの、口紅の色がごちゃまんとありますけど、全部桃色だろ?って思ったことはないですか?あれと同じことで、虹の色の分かれ目は人によって違って見えるんですね。
アメリカやイギリスは青と藍色を区別せず6色、ドイツやフランスは更に黄色と橙もしくは青と紫を区別せず5色、ロシア、インドネシアなどでは4色で表現されます。日本と同じように7色なのはイタリア、オランダなどの国だそうです。日本には四季があって色彩感覚が養われているのかなぁと想像しました。 みなさんも今度虹を見るときはよく観察してみたらどうですか?