今週は、ボブ・ディランのウラニウム・ロックをお届けします。
意外にも、どゆソンでボブ・ディランの曲を紹介するのは初めてですね。
ボブ・ディランはアメリカ五大湖地方のミネソタ州のアシュケナジム・ユダヤ人のフォークミュージシャンです。本名はボブ・チンマーマンなんですけれど、「ディラン」は詩人のディラン・トーマスから取ったと言われています。ロックの殿堂にも入っていて、グラミー賞、アカデミー賞など数々の賞を受賞しています。2016年にはミュージシャンとして初めてノーベル文学賞を受賞したのはみなさんの記憶にも新しいのではないでしょうか。
今日お届けするウラニアム・ロックは作詞ボブ・ディラン、作曲ウォーレン・スミスで、ウォーレン・スミスもディランとは別にこの曲をリリースしています。
ボブ・ディランと言えば、メッセージソング、プロテストソングと思われがちですが、自分の歌詞を勝手に社会派的に解釈されるのは本意ではないと語っています。
~~~~~
毎日毎日真面目に働くのにうんざりしているさ
働いても大した稼ぎにはなりゃしない
このガイガーカウンターを使えば、いい稼ぎになるのさ
針が振れたらそこを掘るのさ
金(かね)だ、金(かね)!
金だぜハニー、
金だぜロックンロー
熊手を使って、枯れ草のようにかき集めるのさ
今がよければ先のことなんかどうでもいいさ
これさえあればオレは高級リムジンに乗る未来が見える
すげー高級なヤツな
今更オレを止められやしねーぜ
この大きなウランの岩を掘り当てたんだから
金だ、金!
ロケンローだぜ!
ほら、キャディラックのリムジンに乗ってるオレを見てくれよ
もうこんなところとはおさらばさ
赤信号も無視して突っ走ってやる
あんなにでっかいウランの岩を見つけたんだから
金(かね)だ、金(かね)!
金だぜハニー、
金だぜロックンロー
熊手を使って、枯れ草のようにかき集めるのさ
~~~~~
ウラニアム・ロックのロックは音楽のジャンルじゃなくてまさしく石のことでしたね。ウラニウムというのはウランのことです。天王星、ウラヌスにちなんだ元素記号です。ご存じの通り核燃料の材料となる元素です。
表面的には、そんな価値のあるウランを掘り当てて大金持ちという内容なんですがその裏に政治的メッセージがあるのかないのかはわかりません。本人が深読みされるのはうれしくないと言っているので、深い意味は無いのかもしれません。
メッセージはわからないので、ウランに関する事実を調べてみました。
世界原子力委員会の資料によると、ウランの埋蔵量は約615万トンで、オーストラリア、カザフスタン、カナダ、ロシア、ナミビアが上位の埋蔵量を誇ります。2021年の世界産出量は年間約4万8千トン程度ということなので、まだ100年以上はなくなりません。
地震災害の多い我が国では原子力発電の安全性がどうしても気になるところではあります。環境汚染問題を懸念する向きも多いわけですが、原子力発電はエネルギー効率の面では優れていますし、世界的に見ると中国、アメリカ、インド、ロシアで世界の約半分の発電しています。この中でアメリカ、ロシアは発電量の約20%を原子力に依存しています。中国は5%、インドは3%が原子力発電です。一方我が国は発電量が世界の約4%で、そのまた4%が原子力発電です。
世界には431基の原子炉があり、内訳はアメリカが92基、フランス56基、中国53基、ロシア34基、日本33基と続きます。現時点では、ウランは私たちの生活には欠かせない資源だという事実は揺らぎ無いと言えますね。