今週は、コニー・フランシスのLipstick on your collar(カラーに口紅)をお届けします。コニー・フランシスはマンハッタンの対岸、ニュージャージー州ニューアーク出身の歌手・女優。イタリア移民の家に生まれました。3歳の頃から地元のクラブやイベントて歌っていて、11歳の頃にTV番組に出演するようになり、タレントスカウトショーで優勝しプロデビューしました。17歳で歌手デビューを果たしましたがしばらくは鳴かず飛ばずでした。20歳で「Who’s Sorry Now?」が大ヒットしてからはヒット曲を連発、さまざまなジャンルを歌う歌姫ですが、女性初のロックンロール歌手とも言われました。英語だけでなく日本語、ヘブライ語、ドイツ語など15の言語でレコードを出したりもしています。ポニーテールに膝上丈のワンピースの時代の代表的な歌手です。
今日ご紹介するカラーに口紅は1959年5月発売。ビルボードでは最高5位まで上がりました。
日本では みナみカズみ(後の安井かずみ。作詞家、訳詞家、エッセイスト、歌手) の訳詞で森山加代子や小泉今日子らが、山川啓介の訳詞で伊東ゆかりがカバーしました。
浮気性の彼氏に振り回される女の子の歌です。プロムだかダンスパーティーだかに来た二人。最後には衝撃の事実が明らかになります。
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あなたが私を一人残して
レコード・ホップで
ソーダを買いに行くって言ってから
かなりの間、帰ってこなかったわよね
戻ってきたとき、私見つけちゃったの
そのときあなたの裏切りに気づいたのよ
あなたの襟の口紅があなたの不誠実を語ったの
あなたと私はもう終わりよ
だってあなたの襟の口紅がついてたんですもの
あなたは私のだよと言ったけど
襟の口紅は赤で
私のはベビーピンクだったのよ
そんなことを考えているうちにメアリー・ジェーンが入ってきたの
口紅がぐちゃぐちゃ
あなたは私の親友とキスしていたのね
あなたの襟に口紅がついてたの
そのときあなたの裏切りに気づいたのよ
あなたの襟の口紅があなたの不誠実を語ったの
あなたと私はもう終わりよ
だってあなたの襟の口紅がついてたんですもの
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もう終わりよって言ってるから修羅場にはならないかもしれませんね。そしてこういう友達の彼氏を寝取る子は、奪うことが快感なので、奪っちゃったらすぐポイなんじゃないかなぁと思います。
なんだか記憶にあるようなないような….
さて、この曲は50年代後半の曲なんですが、歌詞の中には当時はよく使った今ではあんまり聞かない表現も出てきます。
あなたとはもう終わりというとこるでは、Bottom dollarを賭けてもいいっていう歌詞があるんですね。ボクは省略しちゃいましたけど。
ボトムは底なので最後の1ドルまで賭けてもいい。全額ベットという意味で、転じて確信しているという意味でも使われます。最近は聞きませんねぇ。
この曲のタイトルはリップスティック・オン・ユア・カラーですが、このカラーは色ではなくて、襟という意味です。スペルも色とは違うんです。
襟はc o l l a r
色はc o l o r
です。
発音がビミョーに違います。
「collar」と「color」の発音の違いは、主に母音の部分とストレス(従って長さもちょっと影響を受ける)に違うがあります。一応AIでも確認しました。
collar(襟)のほうは、
最初の音の「カ」は広めに開いた口で発音します。母音は日本語の50音のアです。
一方のcolor(色)の方は、
最初の音は「カ」は口をやや狭く開けて、短く発音します。
日本語の母音のアイウエオをきちんと発音すると、口の形が違うでしょ?ウとかオは口を尖らせるんですが、その尖らせたままの口でアを言います。
学校で、アとウの間の音とか、アとエの間の音とか謎の説明を受けて迷子になった経験はありませんか?その正体がこれです。みなさんも練習してみてください。