今週は、ミスター・スロー・ハンド、エリック・クラプトンのティアーズ・イン・ヘブンをお届けします。そういえばジェフ・ベック、ジミー・ペイジと並んで「世界三大ギタリスト」の一人クラプトンはどゆソン初登場ですね。まぁ「世界三大ギタリスト」というのは日本のレーコード会社が作り出したキャッチフレーズなんですけど、ジェフ・ベックはザ・パルジファルのがっちゃんの好きなギタリストとしてMEEで紹介されてましたし、ジミー・ペイジはレッド・ツェッペリンとして紹介しました。この3人は元ヤードバーズのギタリストという共通点があります。
「電気を使わない」という意味のアンプラグドブームの火付け役であるエリックは今やアコースチック・ギターの曲が有名になっていますが、その以前は、♪チャララリラリラーというリフでおなじみの愛しのレイラをはじめエレキギターのギタリストです。ギブソンのSGにサイケデリック塗装を施したギターや、黒のフェンダー・ストラトキャスター、通称ブラッキーなどがエリックのアイコンのギターなんですけど、ギターコレクターとしては一本はレプリカを持っておきたいものです。
今日の曲は、そのアンプラグドブームの火付け役となった92年「アンプラグド アコースティックエリッククラプトン」アルバムに収録され、93年グラミーの最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀ポップ男性歌手賞を受賞した曲です。91年3月に事故で亡くなった4歳の息子コナー君に捧げる曲です。
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天国で会ったらキミはボクの名前を憶えていてくれるだろうか?
天国でもう一度出会ったら、キミは今と変わっていないんだろうか?
ボクは気持ちをしっかり持って、前を向かなきゃならないのはわかってるさ
だってボクはまだ天国には行けないんだから
天国で会ったらキミはボクと手を繋いでくれるかい?
ボクが立ち上がるのを手伝ってくれるかい?
昼間も夜も、なんとかがんばろうと思うよ
だってボクにはまだ天国は早いんだ
時が経つにつれて落ち込んでしまう
時が重くのしかかるんだ
心が壊れてしまうから
神に許しを乞うしかないんだ
扉(とびら)の向こうには平穏があると信じているよ
そして天国では、もう涙は流さなくていいんだ
わかってるさ
ねぇ、キミと天国で会ったら、ボクの名前を憶えていてくれるかい?
天国でもう一度出会ったら、キミは今と同じだろうか?
ボクは気持ちをしっかり持って、前を向かなきゃならないのはわかってるさ
だってボクはまだ天国には行けないんだから
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子供に先立たれた切ない父親の気持ちがひしひしを伝わって来ますね。別れた奥さんとの間に生まれた自分によく似た息子のことを大変可愛がっていたそうです。父親としての時間を大切にしたいと常々述べていたエリックが、動物園に行く約束をしていたその日、母親の元で暮らすコナー君はマンションの53回の階段を元気よく駆け上がっていたところ、たまたま開いていた踊り場の窓から転落し亡くなってしまいました。
グラミー賞の受賞スピーチでは、受賞の喜びと共に息子の死について罪を感じると述べたのはとても印象的で切なくて、よく覚えています。愛する人を失う悲しみは失った人にしかわからないでしょう。その気持ちは消えるものではありません。でも生き続ける側の人は、しっかりと強い気持ちを持ってその人の分まで生きて、いつか将来天国で再会するときには笑顔でいられると思います。 エリックは「天国で会ったらキミはボクの名前を憶えていてくれるだろうか?天国でもう一度出会ったら、キミは今と変わっていないんだろうか?」と歌っていますが、きっと名前をちゃんと憶えているし、変わらない笑顔で話しかけてくるに違いないとボクは思います。