8月最後の週の今週は、ABBAのSummer Night Cityをお届けします。
この曲はABBAの母国スウェーデンで最後のナンバー・ワン・シングルとなった曲です。
70年代当時の新曲リリースのサイクルは、最低でも2曲は出さないといけない状況だったのですが、ABBAは78年は冬に1曲リリースしただけでした。スタジオアルバムの予定はまだ先ということで、苦肉の策としてこの曲をシングルのみでリリースしました。9月にリリースしたんですけど、北欧の国スウェーデンでは9月はもう秋なんですよね。奔放な夏の思い出を歌う歌です。
~~~~~
都会の夏の夜
夜明けまで、暗闇の中を踊り続けるのよ
月明かりの夜に、公園で愛しあうの
都会の夏の夜に
太陽が出ているとなんだか眠くなってしまうわ
段々耐えられなくなってるのよ
どんどんその思いは大きくなっているの
何か起こるのか、本当は知っているの
今夜、もう全部を脱ぎ捨ててやるわ
かっこつけるのはお仕舞いよ
夜が来たらいよいよ始まるのよ
何なのかしら、引きつけられるのよ
大きな何かに引き寄せられるの
得るものが大きいかわりに与えるものも大きくなければいけないのね
生きてるってこういうことじゃないかしら
何が私をその気にさせるのかしら?
まぶしいくらいの魅力的な誘いなのよ
私と同じ感覚の人たちが集まってきているのがわかるわ
夜になれば、それが始まり
都会の夏の夜の宴(うたげ)が始まるの
そして明日、日が昇って鳥のさえずりが聞こえたら
全部忘れるの
あれは夢だったのよ、何もなかったの
浜辺にポツポツと流れついている流木のように
都会の夏の夜を過ごすのよ
~~~~~
まぁ若いころはみなさんもいろいろあったでしょ?公園でとかもねぇ、「そんなこともあったような微かな記憶があったりなかったり」じゃないですか?
夏の夜のお戯れ(たわむれ)の歌なんですが、汗ダックダクをイメージしたでしょ?日本の夏は湿気もすごいし、最近は夜も暑いですもんね
でもスウェーデンはそうでもないんです。首都ストックホルムは北緯59度です。樺太の一番北よりも更に北に位置します。暖流の影響もあって、亜寒帯温潤気候に属します。ストックホルムの夏は前橋よりかなり低く、平均気温は25度くらいです。夜は10度以下になることもあるそうです。ジメジメもしてないので過ごしやすいというか、寒いくらいですね。
そして、高緯度にありますから、夏は日が長いんですね。早く夜にならないかなぁと夜を待ちわびるのも頷けます。ストックホルムの8月の日の入りは夜9時、日の出は4時過ぎです。
北欧の夏といえば白夜ですが、ストックホルムより北、北極圏(北緯66度)より北に行くと白夜になります。5月の終わりから8月のはじめまでずっと太陽が沈まない日が続くのです。そりゃぁ夜が待ち遠しくもなりますね。
このように、緯度の高い国では夏の日照時間が長くなります。欧州は概ね日本より緯度が高いのはみなさんもご存知ですよね。イギリスのロンドンなんかも樺太の真ん中へんくらいの緯度です。日本よりずっと北にあります。ストックホルムのちょっと南なだけなんです。だから夜が長いんです。
夏にロンドンに出張に行くと、まぁもちろん仕事が終わった後は上司とかと食事に行きますよね。その後飲みにも行くことになるんですけど、お店を出てもまだ外は明るいので、上司が「もう一軒行くぞ」と何回も言うんです….
どうも暗くならないと夜って気がしないので上司の気持ちもわかるんですが、夏のロンドン出張は3時まで眠れないつらいものになるんですね