今週は、デクシー・ミッドナイト・ランナーズのカモン・アイリーンをお届けします。
ボクもこれならこもった声でも歌える気がします。
デキシー・ミッドナイト・ランナーズは、1978年結成のイギリスのポップ・ロックバンドです。、ソウル、ニューウェイブ、ポップが混ざり合った独特のサウンドを生み出しました。代表曲は今日紹介する1982年のCome On Eileenです。この曲は、フィドル(くだけた音楽で弾くバイオリン)とバンジョーにコーラスを絡めたのが特徴でキャッチーなメロディの大ヒット曲です。
カトリック教徒でありながら性に目覚めた少年の葛藤が描かれているのですが、これはバンドのフロントマン、ケヴィン・ローランド自身の体験をもとにしているんだそうです。アイリーンとは13歳になったときに恋愛感情を持ち、その1~2年後に性的な関係になった幼なじみの女の子との関係を書いた歌です。
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かわいそうなジョニー・レイの悲しい声がAMラジオから聞こえてきた
百万の心を動かし、母親たちはみな泣いた
そしてもちろん一緒に歌ったさ
キミは成長したんだよ
今こそ、それをキミに伝えたいんだ
そして、私たちは父親のように歌うことができる
あぁアイリーン
ジョニーの気持ちが手に取るようにわかるんだ
あのとき、アイリーンこそが全てだったんだ
今だから言えるけど
ドレスを着たアイリーンを見て
ちょっとエッチなことも考えたさ
周りの人々はみんな煙に燻(いぶ)されてどんより疲れた目をしている
それは運命だともう諦めているのさ
でもジョニーたちは違うんだ
自分たちはまだ若いし、だからずっと賢いと思っていたんだ
(そうだったねぇ…)
アイリーン、この曲を一生歌い続けるよ
アイリーン、ああボクは誓うよ、本気さ
カモン、アイリーン、正直になろうよ
その赤いドレスも脱いで
キミは立派な大人に成長した
オー、アイリーン
今こそ、言わなくてはならない
時間は人を変えてしまったのさ…
あのとき、アイリーンこそが全てだったんだ
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幼なじみとのすっぱい恋の物語でしたね。
まぁ初恋は甘酸っぱい思い出として心に残ればいいんじゃないですかね。一生愛するなんて若いから言えることで、大人になれば一生なんてなかなか言えないですよね。
歌詞の中に、Who’d blame them?(フーゥド・ブレイム・ゼム)というのが度々出てきます。
誰が彼らを責めることができよう?という意味ですが、これはいわゆる反語で、「誰が責められるか?いや、誰も責められない」という意味で使われます。習字疑問文ってやつですね。英語ではこういう表現はよく使われます。今までの歌にも結構ちょくちょく出てきました。
あとね、この原稿を書くためにいろいろ調べていてボクは大きな間違いに気づきました。バンド名のデキシー(Dexy)、てっきりボクはアメリカ南部のディキシー(Dixie)音楽のバンドだと思ってたんですよ。
だってこの曲でもフィドルとバンジョーにアコーディオンというディキシー音楽の定番だし、アイリーンっていう名前もアメリカ南部っぽいし、(AIで調べたらやっぱりアメリカに多く、イギリスではほとんど見ない名前でした。) ところがデクシーはDexyで、デキセドリンという覚醒剤の俗称に由来しているんだということを知りました。そう言われてみれば、癖のある英語だなぁとは思っていたのですが、そうか、これはスコットランド訛りだったか….と気づきました。あぁこれはアメリカ南部じゃなくてスコットランドのケルト・フォーク音楽だったのか!と知りました。