今週は、ビリージョエルのShe’s got a wayをお届けします。
久々のビリージョエルですね。ニューヨークのご当地歌手ビリーのラブソングです。タイトルのShe’s got a wayとは、直訳すると「彼女には何か特別なものがある」という意味になります。彼女が持つ独特の魅力や影響力について歌った曲です。彼女とは、多分ビリーの最初の奥さんでビジネスパートナーでもあった、エリザベスのことなのかなと思います。1971年にリリースされたデビューアルバム「Cold Spring Harbor(コールド・スプリング・ハーバー)」に収録されているラブバラードです。全然売れませんでした。
リリース時にマスタリングのミスでピッチが高くなるという問題が発生しました。これは後に修正されはしたのですが、ビリー自身が一番嫌いなアルバムと言っています。ピッチミスの初版も出回りましたので、今でも運がよければ見つけられるかもしれません。
この曲は1981年のライブアルバム「Songs in the Attic(ソングズ・イン・ジ・アティック:屋根裏にあった曲)」で人気を博し広く知られるようになりました。
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彼女は特別なんだ
なんだかよくわからないけれど
でも彼女なしには生きていけないってことだけはわかるのさ
彼女はどうすればボクが喜ぶか知っている
理由なんかない
なんだかわからないけれど
彼女の笑顔を見るだけでボクは癒やされるんだ
彼女は話し方も最高さ
理由なんかない
ボクを元気づけてくれるのさ
ボクが落ち込んでいる時でも
そこにいてくれるだけで元気になるんだ
彼女がボクに触れると、私は変わるんだ
彼女とはずっと繋がっていられる
彼女の周りは光ってるんだ
そして彼女はどこに行っても
愛の夢で包まれている
なぜだかわからないけれど
彼女なしには生きていけないということだけはわかる
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エリザベスについては以前ご紹介したJust the way you areや、ストレンジャー、You may be rightでも歌われています。ビリーの彼女への思いの変化がわかります。ビリーがヒットを放つようになって段々エリザベスとの関係性が変わってきてしまいます。ビリーのマネージャーとして仕切っていたやり手ビジネスウーマンとして金の亡者となったエリザベスの変貌を悲しく感じたビリーが、「ずっと昔のままのキミでいてくれよ…」と願った最後の曲がJust the way you areですが、その「昔のまま」というのがこの曲で表されているのだと思います。
ビリーは身近な題材を歌詞にすることが多くて、だからニューヨークの地名がたくさん出てくる曲が多いんですね。アルバムタイトルのコールド・スプリング・ハーバーは、ビリーの育ったヒックスビルにほど近い、ロングアイランド湾に面した港です。自然が豊かで、海岸沿いの美しい街です。冷たい泉の水が湾に流れ込むことからコールド(冷たい)・スプリング(泉)と名付けられたのだそうです。 ボクはビリージョエルの曲に出てくる場所に聖地巡礼しています。ロングアイランドはニューヨーク郊外で、通勤圏であり、近場であることから週末の別荘地でもあります。北部は高級別荘地です。ときどきそういう別荘にお呼ばれして行くことがあったんですが、その時には必ずコールド・スプリング・ハーバーや、別の曲で出てくるオイスター・ベイに立ち寄ります。その名の通り、オイスター、カキが有名なのですが、海沿いのバーで生牡蠣を食べたりしました….一緒に行った人はね。ボクは貝は食べられないのでエビとかイカとかだけ食べてました。