スティングは、「イングリッシュマンインニューヨーク」や「見つめていたい」といった大人な感じの曲を歌っているミュージシャンです
ゲゲゲの鬼太郎のチャンチャンコみたいな黒と黄色の縞々の服をよく着ていたことから「蜂が刺す」ことを意味するスティングというニックネームになったそうです
哀愁漂うガットギターのイントロでグッと引き込まれちゃいますよね
さて、この「シェイプオブマイハート」ですがジャンレノとナタリーポートマンの映画レオンのエンドクレジットの間に流れた曲でも有名です
映画の原題は、Leon: The professionalといって、プロの殺し屋の話なんですね
曲のほうで描かれているのは、プロのポーカーのディーラー(胴元)の物語なんですが、殺し屋もギャンブラーも何かを賭けて勝負する、生きるか死ぬかみたいな瀬戸際でのヒリヒリした人生って意味で共通点があるんじゃないでしょうかね
当時のインタビューでスティングは、「単に金儲けがしたいというだけのギャンブラーではなく、運任せに思える勝負の中に、勝ち負けの法則を見出そうとする道を極める求道者の孤独」を描いたと言っています
「この男は哲学者なんだ。尊敬されたいとか金のためにプレイしているのではなくて、ただ法則を知ろうとしている。何かロジックがあるはずだと。彼はディーラーだから、自分の感情を表現するのは簡単なことじゃない。実際、彼は何も表現しない。仮面を被っているのさ。その仮面は決して変わることはないんだ。」
ポーカーになぞらえて、最後は人生の教訓に繋がっているんだとボクは思うんです
ボクは銀行員になって一番最初の仕事がギャンブラーだったんです
と言ってもカジノや競輪競馬ではなく、ドル円の為替ディーラーだったんです
だからこの曲の主人公と自分が重なって感じるんです
賭け事というのは確率計算の世界であり、期待値の勝負の世界なんですけれど、
(というのをビジネスアビーでは常々説いているんで、ご興味がある方はご連絡くださいね)
その中でも、ポーカーは更に相手との駆け引きの要素が加わるわけです
一見ランダムに見える相場の動きの中には本当は何か法則があるに違いない
その法則を見つけられたら俺はきっと「世界対俺」の戦いに勝つことができる
こんな風に今でも思っています
まずは確率
科学なんですが、
勝負の相手は血の通った人間なんですね
人の気持ちを読むというのは科学とは対極の芸術の世界だと思うんです
ボクは今も個人でFXトレードをやっているんですが、未だに相場の法則を見つけることができていません
この曲では、「俺のハートはこんな形じゃない」と歌っているんですが、じゃぁどんな形なのか?
自身も自分の心がどんな形かわからないんじゃないでしょうかね
きっと自分の心の形をずっと探し続けるんじゃないかと思います
ギャンブラーの人生ってそういうものなんじゃないかと、相場師のはしくれのボクは思っています
賭け事をするときってとても不安なんです その不安をなんとかして和らげるために確率とか期待値とか、理屈をならべて安心しようとするんです 感情と論理、心と頭のせめぎ合いは人類のテーマなんじゃないでしょうかね