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Take me home, country roads じょーじ船瀬のどゆ意味このソング? 2021/06/07

今週は英語ではTake me home, country roadsという表題で、日本では「故郷に帰りたい」という名前がつけられている曲ですが、カントリーロードと言ったほうがなじみがあるかもしれません。

原曲は1971年、カントリー歌手のジョンデンバーが歌いました。74年にはオリビアニュートンジョンがカバーしてヒットしました。そして95年には日本語の歌詞でもジブリアニメの「耳をすませば」の挿入歌になっています。さらには2019年のラグビーワールドカップで、日本代表が替え歌「ビクトリーロード」を歌って話題にもなりましたね。

舞台はアメリカ東部のウエストバージニア州。

アメリカ東部の山々は、西部のロッキー山脈のように高く険しい地形と違い、なだらかな山が続く地形なんですね。西部よりひと昔前の地殻変動でできた山脈なので風化によって徐々になだらかになっているんです。

歌の中に出てくるブルーリッジマウンテンズやそこに流れるシェナンドー川を臨む景色は、丁度赤城や榛名の山を思わせるようなのどかな山の中を利根川のような川が流れている風景と重なります。

実はこのブルーリッジマウンテンズもシェナンドー川もお隣のバージニア州にあって、ウエストバージニア州はほんの少しかすっているだけなんですけど、この歌を歌ったジョンデンバーは、コロラド州最大の都市デンバーを芸名にしたことでもわかる通りコロラド大好きな西部の人なので、バージニア州とウエストバージニア州の違いはあまり気にしなかったのかもしれません。実際区別できてないアメリカ人もいっぱいいますし。これといった産業もない州なのですが強いてあげるとするとウエストバージニアは山の中の炭鉱の州なんですね。そこがほとんど天国のようだと、故郷の山々を懐かしむ歌です。

赤城や榛名を思い浮かべる風景なんですが、そこには前橋や高崎のような都市は広がっていません。面積は群馬県のほぼ10倍なんですが人口は群馬県とほぼ同じ180万人で、ウエストバージニア州で一番大きい州都のチャールストンでも5万人しかいないという自然豊かな場所です。

歌にある通り山の中です。アメリカの高速道路は都市と都市の間は街路灯がないので真っ暗なんですね。真っ暗な道をひたすら走るとそれはもう不安になるわけです。次の街に着いて、また灯りが見えると「おぉ!文明の光だ!」と叫ばずにはいられません。これ実話ですw。ボク何度も叫びました。

そして文明と文明の間の真っ暗な道を走っているときは、星がとてもきれいです。

なんでこんなことを知っているかと言うと、実はボクはウエストバージニア大学に通ってたんです。ですからこの曲には特別な思い入れがあります。この曲は2014年にウエストバージニア州の正式な州歌にもなりました。

アメリカでは大学スポーツはプロスポーツに匹敵するくらいのファンがいるんですね。私たちが高校野球や箱根駅伝を見るように、大学のアメリカンフットボールやバスケットボールは人気スポーツなんですが、ウエストバージニア大学は東部の強豪で特にプロスポーツチームのないウエストバージニア州では絶大な人気なんです。そのウエストバージニア大学マウンテニアーズ(山男)がホームの試合で勝つと大学のスタジアムを埋める6万人のファンがこのカントリーロードを大合唱します。今でも何年かに一度ウエストバージアまでフットボールの試合を見に行くんですけどね、勝ちそうな試合を選んで行ってますからカントリーロードを歌いに行ってるようなものです。ニューヨークから南西に約10時間、レンタカーで山の中をこの歌を歌いながら走ります。ジョンデンバーのような標準英語ではなく、南部訛りゴンゴンで歌いますw 群馬に育ったリスナーのみなさんも深層風景には赤城や榛名、利根川がきっとあると思いますが、ボクは外国に暮らしているとき、この歌でウエストバージアの美しい山波の景色を思い浮かべると同時に、前橋の赤城と利根川を見ています。

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