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2022/03/14 ♯59 2022-10 じょーじ船瀬のどゆ意味このソング   Never enough

今週はThe Greatest Showmanの挿入歌であるNever enoughをお送りします。

歌うのはローレン・オルレッド。この曲でビルボード初登場です。ローレンは音楽家の両親の長女としてアメリカ東部、ペンシルバニア州ピッツバーグに産まれました。スター誕生のようなオーディション番組で注目を浴び、The Greatest Showmanには当初はコーラス部隊の一員として参加していたところ、歌姫ジェニー・リンドの歌声訳として抜擢されたというサクセスストーリーの持ち主です。

オリンピックのときにもご紹介した映画The Greatest Showmanは、19世紀に活躍した興行師、P・T・バーナムの成功を描く実話ミュージカルです。映画の登場人物で、Never enoughを歌うジェニー・リンドはスウェーデンのオペラ歌手で、スウェーデンのナイチンゲールと呼ばれました。婚外子として生まれ、家族の恥と蔑まれて育ったので、自分の歌でスカラを何度も満員にして喝采を浴びても、それが「Never Enough まだ足りない!」と感じてしまいます。きらびやかな世界に身を置き、上流階級の人からの賞賛を受けてもなお、「本当はここに相応しくない」という思いが消えないのだという台詞があります。一方で自分の力に自信を持っていて、その結果がこの鬼気迫るような歌。そんな、自信とコンプレックスの入り混じった複雑な気持ちを表す熱唱がとても印象的なんです。

ジェニーが活躍したのは19世紀ということで、蓄音機の発明と前後するのですが、彼女の歌声が残っていないのは残念です。

~~~~~

息を止めて我慢しているの

だって今のままでずっといたいんですもの

あなたがこの夢のような時間に私を連れて来てくれたのよ

そしてその音はどんどん大きくなってきたの

ねぇ?聞こえるでしょう?

私を連れて行ってよ

あなたの夢を私にも一緒に見させてよ!

だってあなたがいなかったら….

幾千ものスポットライトも

夜の空からこぼれるすべての星も

こんなだけじゃ全然足りない!

金の塔はこんなんじゃまだ全然小さいわ

私は世界を手にすることができるわ

でも、でもそんなんじゃまだ全然足りないの!

私にとって、これくらいじゃまだ、

まだ全然足りないのよ!

ぜんっっっっぜん、足りないの!!

ねぇ、わかる?

~~~~~~

心の叫びが伝わってきましたか?まだまだ、私はこんなもんじゃないのよ!というフラストレーションがひしひしと伝わってきますよね。

実は、このジェニーリンド、中学校の音楽室に肖像画が飾ってある作曲家の一人、メンデルスゾーンと恋人だったとも言われているんです。結婚式のときの♪パパパパーン、パパパパーン、パパパ、パンパパパパンのあれ、『夏の夜の夢』って曲を書いた人です。映画の主人公のバーナムとはメンデルスゾーンの死後出会ったんだそうです。

見世物小屋で偽りのショーばかりを観客に見せてお金儲けをしてきたバーナムが、「本物」の才能を見せようとスウェーデンのナイチンゲールをプロモートしようと決めたときに唄われる歌です。二人とも求めているのは名声。光です。同じものを求めている二人は自然と引き付け合ったんでしょうね。ジェニーはバーナムに認めてもらい、愛してもらうために、歌で世界の喝采を得ようとしたんでしょうね。そうすればバーナムが振り向いてくれる。「こんなに頑張ってる私、かわいいでしょ?」っていうあれです。

女性のみなさん、男はそういうの引きます。あんまりがんばられるとなんか引け目を感じるし、ストーカー怖いしw ボク、ストーカーを引き寄せる体質なようで、今まで二人にストーカーされて大変な目にあわされたことが何度もあるので怖いんです。

バーナムもジェニーの気持ちに気付くと、すっと引くんです。そしてジェニーは落ち込むんです。ナイフ持って夜中に押しかけては行かなかったみたいで、バーナムは幸運でしたね。

同じ歌詞なのに、今度はすごく暗く歌うんです。さっきはオラオラだったのに、今度は、これだけやってもまだ足りないの….ぴえん みたいに心が折れちゃったんです。映画ではそんな幅広い表現を見ることができます。

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