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2022/04/18 ♯64 2022-15 じょーじ船瀬のどゆ意味このソング   Silver moon

今週は、マイク・ネスミスとファースト・ナショナル・バンドの、シルバー・ムーンという曲をお届けします。

名前の由来についての考察もリクエストされていたので、まずはそこからお話しますね。

ネスミスはスコットランドに多い苗字です。スミスというのは、鍛冶屋さんという意味で、ネスミスとは、ナイフや釘(ネイル)を作る鍛冶屋さんでネ・スミスという名前なんですね。エグザイルファミリーのネスミスも同じ名前ですね。なんとかスミスという名前は、ほかにも鉄鍛冶屋さん由来のブラックスミスはよくある名前です。ブラックは鉄のことなんですね。貴金属の鍛冶屋さんであるホワイトスミス、鍵の鍛冶屋さんであるロックスミスもよくある名前です。

マイク・ネスミスは、元モンキーズのギターでニット帽がトレードマークだったあの人です。モンキーズ解散後もソングライター、ミュージシャンとして活躍を続けました。リンダ・ロンシュタットに曲を提供したこともあるそうです。

シルバームーンもモンキーズから続くほのぼのとした曲調のネスミスらしい曲です。

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だるそうにゆっくりと回る風車を眺めていると

雲が大理石のように広がる空を切りこんでいるように見えてくる

足元の砂埃はそのせいだ

ボクは今、別れを告げて風に背中を押されてハイウェイを一人走っている

そして夜はいつも変わらないシルバームーンの光に照らされてボクは立っている

記憶の地図をたどっているんだ

シルバームーンに照らされて

どこに行きつくのか、それはまだわからない

今はまだよくわからない

あの、寂しさがまた押し寄せてきたんだ

そんなときボクは目を閉じるんだ

そうすればキミに会うことができるから

振り向きながら、キミはやさしく語りかけてくれる

シルバームーンに照らされて

記憶をたどりながらボクは思うんだ

もう行かなくちゃ

キミのことは忘れて前に進もう

シルバームーンの光のもとで、ボクはそう決心しようとしてるんだ

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なんとなく、♪菜の花畑に入日薄れ~ の朧月夜に通じる光景をボクは思い浮かべました。

カントリーロックというジャンルの曲でもあり、菜の花の代わりに広がるのはアメリカ中部のコーンベルト地帯のトウモロコシ畑ですかねぇ?曲の冒頭に出てきた風車というのは、風の力で製粉を行うヤツのことです。日本では水車で精米や製粉をしますよね。榛名にのぼる途中、水沢のちょっと手前にある鹿火屋の水車も製粉をしてるんでしょうね。

彼女と別れた場面なんですけど、そこには悲壮感というよりも春を感じさせる暖かい光景が目に浮かびます。

バンド名のファースト・ナショナル・バンドの由来についても解説をリクエストされていました。検索しても由来は見つけられなかったんですが、これは明らかにファースト・ナショナル・バンク(銀行)のパロディだと一瞬で思いました。

実はボクはニューヨーク勤務時代を含め、アメリカでの事業拡大を担当していることが長かったので、アメリカの銀行法、銀行法の歴史についてはゴリゴリ勉強した経験があるんです。大和田常務のモデルの人はアメリカの弁護士資格を持ってる人で、ボクと同じ時期にニューヨークでアメリカ拡大戦略を担当していたので、まぁ、しごかれました。

アメリカの銀行には、連邦法に基づいて設立された国法銀行(ナショナル・バンク)と各州の法律に基づいて設立された州法銀行(ステート・バンク)というのがあります。そして、銀行は。国法銀行で会っても州を越えて銀行の支店を持つことができないという法律がありまして、それぞれの州内だけでしか拠点展開ができなかったんです。それで、いろいろな州で、ファースト・ナショナル・バンクが存在していました。ファースト・ナショナル・シティ・バンクが今のシティバンクです。ほかにもファースト・ボストン、ファースト・シカゴなどが有名ですが、これらの正式名称はファースト・ナショナル・バンク・オブ・ボストンとかシカゴと言うんですね。今は合併などにより名前が残っている大所はなくなっちゃいました。

ファースト・ナショナル・バンドはメンバー交代の度に、セカンド・ナショナル・バンド、サード・ナショナル・バンドと改名していきます。銀行にも、二番目、三番目の銀行はセカンド、サード・ナショナル・バンクのいうのが存在するんですね。

曲の中身とは全然関係ないですが、月と言えばイスラム教、イスラム教といえば今はラマダンの月の真っ最中です。イスラム教の断食の季節で、日が出ている間はツバすら飲んではいけないという戒律なんですけど、この時期はイスラム教の人はお腹がすいて気が立っているから怒らせないように気をつけろってウソかホントかわかりませんが、大学1年のときのルームメートに言われたのを覚えています。

一方で、キリスト教では昨日の日曜日はイースター・サンデー。十字架にかけられたキリストが復活したことを祝うキリスト教の中で最も重要な行事の一つがイースター、復活祭です。日本でも色とりどりに塗られた卵やイースター・バニー(うさぎ)がおなじみですよね。復活祭前の40日間ほど、卵を食べることが禁じられていて、それが久々に解禁になることから色が塗られています。そしてウサギは多産であることから豊穣のシンボルとしてイースターには登場してくるわけです。

ラマダンは5月初めまで続きますので、今ちょうど半分が過ぎたくらいです。そして、イースターといよいよ羽毛ふとんをしまう頃ですかね。

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